仏式の葬儀や法事などでは必ず僧侶がお経を読み上げます。しかし、なぜ読まれるかをご存じの方は少ないのではないでしょうか。一般的にお経は亡くなった方が成仏されるために読まれると思われがちですが、実はお経は参列している私たちにも向けられて読まれています。お経は「お釈迦様の教え」で、お釈迦様がすべての人々が幸せになるために、45年間に亘り修行した道しるべが記されています。

ただ、その内容は弟子たちに口伝えでのみ教えられていたため、誰もが読むことのできる文章に書き起こされたものがお経なのです。僧侶が読経をする理由は故人に対してももちろんですが、その場にいる私たちもお釈迦様の教えを今一度聞き直すことで、改めてお経が伝える功徳やご利益を頂いて感謝をすることにあります。しかし、聞いていても内容が難しくよく分からないというのが実情ですが、お経はその意味が分からなくても聞いているだけで幸せになる効果が得られるとされています。お経の教えを説いたお釈迦様は紀元前5世紀ごろに生まれたとされており、29歳で出家し35歳で悟りを開き、80歳でこの世を去りました。
お釈迦様の死後、その教えを受けてきた弟子たちが後世に残すために書き記したのがお経で、日本に初めて渡ってきたには500年代と言われています。お経 種類は仏教の宗派によって数多くあり、正確な数は分かってないないものの、大きく「般若心経」「法華経」「華厳経」「阿弥陀経」の4種類があります。最も知られている般若心経は真言宗や天台宗、曹洞宗や浄土宗などで読み上げられており、全600巻にも及ぶ原書を300文字程度にまとめた短いお経です。自分の知恵を駆使して、最終的に彼岸へ至るための教えが記されています。法華経は大乗仏教のひとつで、人はみな平等で分け隔てなく成仏できるという内容が説かれている、主に日蓮宗と天台宗で読み上げられているお経です。華厳経は華厳宗や融通念仏宗などで読み上げられるお経で、いくつかの経典をまとめたものとされています。
世の中の全てのものは干渉し合うが邪魔することがないものという内容で、この思想を中心に記されています。阿弥陀経は極楽の様子と行き方を説いたお経で、浄土宗や浄土真宗でよく読み上げられるお経です。弟子から問われた内容ではなく、お釈迦様自ら発信したものと言われています。また、仏教における合掌の意味は、仏様と自分が一体となって故人の成仏を願う気持ちを表します。合掌をしながら体を前に傾ける礼拝の姿勢を取りながら行うのが正しい作法とされています。