経文とは「きょうもん」と読み、一言で言えば仏陀の教えを弟子が記したお経のことです。経文の歴史ですが、その始まりは今から2500年以上前であるとされています。古代インドで仏陀は口伝えで教えを説き、その内容を弟子たちが書き記したことで出来上がったのが経文です。そして、その経文が日本に伝わってきた時期については諸説ありますが、奈良時代に伝わってきたという説が最も有力です。インドから直接日本に伝わってきたわけではなく、中国を経由して漢字で渡ってきました。ただ、伝わってくる過程において様々な人に触れられた経文は、解釈が多様化され本来とは異なった内容で理解されています。

ちなみに、この経文をまとめたものが経本であり、経典とは仏の教えを記してまとめたものの総称です。なお、経文の種類は多く、実際には定かではないものの八万四千種類あるとされています。また、それらは大きく「経」「律」「論」の3つに分けられています。
日本で読まれているお経の種類ですが、梵字で書かれたもの・漢訳したもの・和訳したものの全部で3種類です。梵字とは古代インドで使われていた言葉であり、代表的なお経には陀羅尼や真言があります。一方で、日本で読まれることの多いお経は漢訳のものが多く、般若心境や観音経などがあります。和訳したものは、過去の日本国民に理解されやすいようにと当時の僧侶が日本語に記したもので、回向文が代表的です。
経典に書かれている文章は様々ですが、その大元には「生きている人間が幸せでいられるように」という思いがあります。人生の中で辛いことがあった時、人々の心の拠り所としての役割を持ってきたのが経文であり、聞く人々の心にゆとりを与えてくれます。日本では葬儀の際にお経が読まれることがありますが、このお経には、大切な人を亡くして戸惑う遺族の気持ちを静めてくれる役割もあります。故人を供養する気持ちを与えてくれるという意味でも最適です。読まれることの多いお経としては、妙法蓮華経や阿弥陀経、法華経などがあり、それぞれ宗派によって異なりますが、これらは有名なお経であるため聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
以上が、経本と経典の違いや種類についての詳細です。なお、葬儀で読まれるお経には様々な種類があり、宗派によっても異なります。しかし、いずれも人々の幸せを願い心にゆとりや落ち着きを与えてくれることに違いはありません。