今日は宗教に関する話題です。そのテーマは「仏教が与えるインド文化への影響」ということです。仏教教えの基本的な考え方は、それほど難しくありません。四つの言葉でそれを知ることができます。まず一切皆苦という言葉があります。これは人間の人生というものは思ったように行かないということの端的な表現です。
それから諸行無常という言葉があります。諸行無常とは全てのものは移り変わっていくもので、時間の経過と共に変化をしていくということを端的に表しています。やがては死に至るのがその結論ということになります。これだけで何だか暗い気持ちになりますが、まだまだ教えは続きます。
諸法無我という考えがあります。全てのものは、つながりの中で変化をしているという考えです。人間は一人だけで生活をしているわけでありません。周りの人に囲まれて生活しますし、生活環境に左右されて生きていかなければなりません。
もう一つ大切な言葉が残されています。それは涅槃寂静という言葉です。これはもしかしたら仏陀が目指した最終目標なのではないかと考えられます。端的に表現すれば、良いことを実践し、死ぬ時に悟りを開いて、安らかに天国に召されなければならないという尊い教えです。
仏教は印度で発生しましたが、中国と韓国を通して日本に伝来してきました。このような理由で日本にも数多くの仏教の宗教が確立されました。その由来は江戸時代以前に遡ると考えられます。仏教が印度で発生し中国を経て日本に導入される時に、その定義が多少書き換えられているような気がします。
印度で仏陀が苦心惨憺されて確立された仏教ですが、その教えは口頭伝承ということです。つまり東南アジア各国の仏教寺院で唱えられている経文にこそ、仏教の教えの本質があります。例えばタイとラオスの仏教寺院を訪問すると、驚かされることがあります。どちらのお寺でも、そこで唱えられる経文は全く同じ響きがするのです。これが口頭伝承仏教と言われる所以ではないかと考えられます。
さて本題の「仏教が与えるインド文化への影響」ですが、これはかなり解釈が難しいです。仏教が誕生したのは印度に間違いはありませんが、印度はヒンズー教の国です。残念ながら仏陀が確立された仏教は、印度で広がることはありませんでした。
東南アジアを中心として幅広く受け入れられたのが仏教です。印度の南のスリランカは敬虔な仏教国として有名です。印度を取り囲むこれらの国々が、ヒンズー教徒に与える影響は残念ながら小さいと言わざるを得ません。これは仏教徒にとっては耐え難い屈辱なのかもしれませんが、仏教はインドでは広がりを見せませんでした。