仏教は、釈迦により古代のインドで発祥しましたが、すでに2500年ほどの歴史があります。2500年前といえば、現代文明からは考えられないような世界が広がっていました。このような世界の中で考え出された仏教の考え方を古いと考える人もいます。確かに、2500年も時代が異なれば現在に通じるものはあまりないと考えてもおかしくないでしょう。ですが、実際には釈迦の考え方はそのまま現代に通じます。決して古いものではなく、人間が昔から現代にかけて持っている共通の悩みや苦しみなどを明快に説明してくれるのが仏教の考え方といえるでしょう。
例えば、現代でも多くの人は病気や仕事そしてお金のことで悩み苦しみながら生きています。実はこれらの問題を解決するヒントは仏教の信仰にあるといえるわけです。
まず病気に関してですが、釈迦の教えとして言われているのは、あまり物に執着するなと言うことです。物に執着することでそれだけ不幸になるとされています。逆に、執着を手放すことでその人は幸せになるための切符を手に入れたといってよいでしょう。現代の病気の中でも、成人病といわれているもののほとんどは食べ物に原因があります。食べ物に対する執着が現代人は非常に強く、必要以上に食べ過ぎてしまうため太り病気になりやすいともいえるでしょう。そこで、食べ物に対する執着をなくし、可能な限り必要最低限の物を食べるようにすればまず病気を遠ざけることが可能になります。もちろん中には、食べ物とは関係なしに発症してしまう病気があるかもしれません。ですがそのような例外的なことを抜きにすれば、おおむね釈迦の教えを大事にすることで病気を遠ざけることが可能です。ちなみに運動も病気の原因の一つとされていますが、昔のお坊さんの修行のようにとにかく歩く事も健康につながるものです。
お金に関しても、物の執着から生じる不安と言えます。よく、貧乏でお金をあまり持っていないためお金に対する不安がある人は、仮にお金持になったとしてもその不安は消えることはありません。それどころか、お金が10倍増えたとすれば不安も10倍になってしまうでしょう。なぜなら、執着する物が大きくなったからです。そこで、執着を手放すことでより幸せに生きることが可能です。
後は、仕事の苦しみに対する解決方法も仏教を見ればわかります。例えば、自分を客観的に見ることを釈迦は説いていますが、この方法を利用すれば人間関係などで悩むことがずいぶん減っていくものです。