イスラム教やキリスト教と同じく、仏教は世界で最も普及している宗教の一つです。ただし、哲学的な要素も強く宗教と認めていない識者も珍しくありません。いずれにせよ、およそ2500年前に仏陀が説いた教えがベースとなっています。日本では仏陀という名前よりも、釈迦のほうが広く使用されいているのが実情です。この教えに従う形で修行は実践されることになり、悟りを開くことなどが大きな目標となっています。また、イスラム教が生まれたのは7世紀で、キリスト教ができたのは紀元後すぐの頃なので、仏教のほうが歴史が古いということです。日本に伝わったのは500年を少し過ぎたころであり、日本への定着には聖徳太子による容認が大きく関係しているという話が有名です。ルートとしては、三蔵法師などによりインドからまず中国に伝わり、その後に中国から日本に伝来しました。近代になってからは、アジアだけに留まらず欧州などにも広がりを見せています。
それ以降、多くの僧侶たちが布教活動を行って、それに従って平安時代あたりにさまざまな宗派が生み出されることになりました。現代でも浄土真宗や天台宗などを筆頭にたくさんの宗派があり、細かな点で違いはたくさんありますが、その根底にあるのは仏陀の教えであることに違いはありません。この教えは、人生はままならないことを認識することがスタートになっており、どうして苦しみが生まれるのか考えることがポイントになっています。この問いに対する仏陀の答えは「諸行無常」という有名な言葉です。込められた意味はとてもシンプルで、あらゆるものは変化していくことを意味しています。つながりを保ちながら変わっていくことが真理であり、一つひとつに喜んだり悲しんだりすることは無意味ということです。それを踏まえることが、苦痛から解き放たれるための前提となっています。このことを理屈ではなく潜在意識で自覚できれば、悟りの境地に達することが可能になるのです。
また、日本は伝統的に仏教が文化のレベルにまで根付いており、葬儀をはじめとした儀礼のなかに特色が色濃く表れています。夏の恒例行事である盆踊りなども同様であり、現代の日本人は無意識に仏教の一端に触れていることが多いです。それ自体は特に問題ありませんが、注意しなければならない点もあります。生き物の命を奪うことが許されないなど、宗教上のタブーも存在するので、寺を訪れたり修行僧と接したりするときは配慮が必要です。